脂質異常症の診断基準は以下の通りです。
①高LDLコレステロール血症:140㎎/dl以上
②境界型高コレステロール血症:120~139㎎/dl
③高中性脂肪血症:150㎎/dl以上
④低HDLコレステロール血症:40㎎/dl未満
LDLコレステロール「悪玉」や血液中の中性脂肪が必要以上に増加した、またはHDLコレステロール「善玉」が減った状態のことです。
以前は「悪玉」、「善玉」を区別せずに総コレステロールが一定の値を超えると「高コレステロール血症・高脂血症」と呼ばれ、治療の対象とされてきましたが、実際に心筋梗塞や脳梗塞を起こす危険が高いのは、コレステロールの中でもLDLコレステロール値「悪玉」が高い方です。血液中にLDLコレステロールが増えすぎると血管の壁にへばりつき、動脈硬化を進行させる要因になるため「悪玉」と呼ばれています。このため、現在ではLDLコレステロールの管理が重要視されています。
一方のHDLコレステロールは、動脈硬化を抑える方向に作用するため「善玉」と呼ばれています。
また、中性脂肪は直接血管の壁に蓄積するわけではありませんが、LDLコレステロールとともに血管を障害し動脈硬化の要因になることがわかっています。
脂質異常症の発症には、糖や炭水化物、アルコールの過剰摂取、運動不足、肥満、喫煙、ストレスなどが関係しているといわれています。特に、お腹の中に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の方はLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。また、遺伝的な要因によって起こるものもあります。
このタイプは、とくにLDLコレステロールが著しく高く、動脈硬化がより進行しやすいことが知られています。ご家族に脂質異常症や比較的若い年代で心筋梗塞を起こした方がいる場合、家族性の可能性もあるため、ご自身のLDLコレステロール値を確認することが大切です。
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